様々な事情により税金の滞納をしてしまった場合、何が差し押さえを受けてしまうのか?自分の生活を守りながら差し押さえを受ける前に出来ることはあるのかを分かりやすくまとめました。
納税は憲法30条に定められた通り国民の義務であり一般的には所得税、住民税などが挙げられます。
これらを滞納してしまった場合どうなるのか?心配な方へ向けて、何が差し押さえ対象になるのか?差し押さえられるまでの流れと共に紹介します。
税金を滞納したらどうなるのか?
そもそも税金の滞納とはどのような状態を指すのか?について記述すると
1日でも納期を過ぎれば法律上は「滞納」となります。その後、税金の種類や管轄する行政によって流れは変わってきますが概ね下記のような流れになります。
督促状が来る
納付書に記載の納期限から20日以内に督促状が送られてきます。この段階で払えるのであれば払ってしまうのが一番良いのですが、経済的に厳しい場合もあるでしょう。 しかし督促状が発送された日から10日を過ぎてしまうと法律上は「財産を差し押えなければならない」ということになっています。
この段階で払えるなら払う、事情によって難しい場合は納付書に記載の問い合わせ窓口に速やかに問い合わせて相談することで解決策を講じてもらえる場合もあります。
電話や書面で催告が来るようになる
実際は、10日を過ぎたからといってすぐに差し押さえられるケースはほほありません。役所によって違いますが、督促状に対応せず放置していると、電話や文書による催告が来るようになります。
場合によっては自宅に訪問される場合もあります。まだ何も差し押さえられていないとしても対応は早いに越したことはありませんから、税金を支払えない事情などを伝えてみることをお勧めします。
督促・催告に対応しないと財務調査の対象に
督促、催告に対応せずにいると、滞納者の担保能力や財産の有無、経済状況などを調べる財務調査の対象になってきます。
この財務調査ですが、住民票取得、家族構成、不動産確認、金融機関や勤務先、滞納者の財産を占有する第三者にも調査範囲は及んできます。
そしてこの財務調査は個人情報保護法の対象外です。国税徴収法第141条に基づき本人が同意していなくても調査することが出来ます。
差し押さえ通知が来る
財産調査の結果を基に差し押さえるべき対象となる財産や債権がある場合、差し押さえとなります。この差し押さえで財産が換金・換価処分となり、滞納者の財産を売った代金で滞納分に充当されます。
差し押さえを受ける財産・受けない財産とは?
税金の滞納自体は良いことではありませんが、いざ滞納してしまった場合どんな財産が差し押さえの対象になるのでしょうか?
ここでは差し押さえを受けるもの、受けないものについて紹介していきます。
差し押さえを受けるもの
差し押さえを受ける財産の要件には「財産が金銭的価値を有すること」「財産が譲渡又は取立てができるものであること」が挙げられています。
差し押さえは罰則のために行うものではなく滞納していた税金を支払うために財産を換金する目的があるからです。
お金に換えられる価値が無いものを差し押さえても税金の支払いに充当できないため金銭的価値を有するというのがポイントになります。
具体的な例にあげると
- 車
- 預貯金
- 持ち家
- 貴金属
- 生命保険
などが挙げられます。但し車に関しては公共交通機関が乏しいところに住んでいるなどの理由で差し押さえられると生活が出来ないケースもあります。
日常生活に必須であると裁判所に判断された場合は差し押さえ対象から外れるケースもあります。
差し押さえを受けないもの
差し押さえを受けない財産は国税徴収法 第75条の「一般の差押禁止財産」に挙げられています。主に衣類、寝具など生活に無くてはならないものが一般の差押え禁止財産となり
- 台所用具
- 畳み及び建具
- 滞納者及びその者と生計を一にする親族の生活に必要な3月間の食料及び燃料
といったものが挙げられます。 「生活に必要なものなら家も差押え対象外では?」と思うかもしれませんが、持ち家の場合は売却して賃貸に引っ越す、賃貸の場合は転居して家賃を浮かせるなどで滞納した税金分に充当しても生活が出来るため、一般的には差し押さえられてしまいます。
家を差し押さえられたらどうすれば良い?
いざ自宅が差し押さえにあってしまったらどうすれば良いのでしょうか?
マンション・戸建てを問わず公売になる前に解決が吉
自宅がマンションでも戸建てでも持ち家である場合は差し押さえ後に公売へと進んで行くことになります。
公売とは国税徴収法第94条第1項に基づき、課税する税務署や市町村などの自治体が税金の滞納を徴収するために納税者の財産に対し差押えをし
強制的に売却(換価)して租税に充てるため住宅を入札方式で売却する制度です。
滞納していた税金を一括で納めることで回避することもできますが、現実的に厳しい場合もありますよね。
公売で家を手放すことになってしまったら、賃貸へ引っ越すとしても引っ越し費用がかかりますし、結果として支払う税金以上の負担が発生してしまうこともあります。
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滞納をせずに税金を支払えるならそれがベストです。しかし長い人生の中で病気・リストラ・離婚などで生活状況に大きな変化が訪れると見通し通りに支払いが出来なくなってしまうケースもあります。
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投稿者プロフィール
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株式会社テスコーポレーション 営業部部長
宅地建物取引士・任意売却取扱主任者・競売不動産取引主任者・賃貸不動産経営管理士・マンション管理業務主任者
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