任意売却においてハンコ代とは
先順位抵当権者が、後順位抵当権者に払う抵当権抹消承諾費用のことを言います。
不動産に対し複数の抵当権が設定されている場合、その不動産を売却したら、先順位抵当権者から返済金に充てられていきます。
任意売却において、不動産を売却した場合に先順位抵当権の残債務額より、売却額が低い場合、先順位抵当権者が、返済分をすべて回収してしまっては、後順位抵当権者に配分が回りません。
それでは後順位抵当権が抹消できないということになり、売買が成立しなくなります。
そこで、先順位抵当権が後順位抵当権にハンコ代(抵当権抹消承諾費用)を支払い、後順位の抵当権の抹消に応諾してもらい、不動産の売却を成立させるものです。
実際には、仲介業者である専門相談員の私たちがハンコ代の交渉にあたります。
後順位抵当権者は、競売になった場合に配当があるか抹消承諾料で応じるべきか思案します。
先順位抵当権も返済分から後順位抵当権者にハンコ代(抹消応諾費用)を回しますので上限があります。
双方が同意して初めて任意売却が成立します。
後順位抵当権者のハンコ代に決まりはありません。
後順位抵当権者が、いくらもらっても抵当権の抹消に応諾しないとなれば、その時点で任意売却は成立しません。
法律上、不動産の売却はできないわけではないですが、抵当権付き不動産では、購入者が現れません。
住宅金融支援機構の場合は後順位抵当権者には払うハンコ代(抹消応諾費用)は決まっています。
第2後順位抵当権者 ①30万円 ②残元金の10% の低い額
第3後順位抵当権者 ①20万円 ②残元金の10% の低い額
第4後順位抵当権者 ①10万円 ②残元金の10% の低い額
(※第2後順位抵当権者に50万円まで認められる場合があります。)
私たちもこちらを基準に後順位抵当権者に交渉をしていきます。
ですが前述の通りハンコ代(抹消応諾費用)に決まりはありませんので根気よく交渉を続けるしかありません。
大手の債権者(保証会社、回収委託会社)は上記の費用にほぼ応じていただける可能性が高いです。
後順位抵当権者に街金等が抵当権設定していた場合は難しい交渉になります。
はたまた、個人の方が後順位抵当権者だった場合はもっと難しくなります。
以前、個人の後順位抵当権者に交渉を行ったとき
300万円の残元金に対して10万円で抹消解除をお願いしましたら、10万円で同意するぐらいであれば配当金がなくても競売にするとのことで交渉決裂しました。
個人の方の抵当権者は遺恨等ある場合が多いので感情も入るので難しくなります。
後順位抵当権ではなく、差押の場合のハンコ代(登記抹消費用)は、優先順位の民事執行法の規定や、差押債権者の内容によって変わってまいりますので、また改めてご説明の機会をもらえればと思います。
ご相談は相談員が無料で承ります。お気軽にご連絡ください。
最善の解決方法をご提案いたします。
私たちテスコーポレーションの想いは「ご相談者様に寄り添った任意売却」です。
投稿者プロフィール
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株式会社テスコーポレーション 営業部部長
宅地建物取引士・任意売却取扱主任者・競売不動産取引主任者・賃貸不動産経営管理士・マンション管理業務主任者
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