任意売却は、住宅ローン返済が困難になったときに、債権者(銀行など)と協議して市場価格で売却する方法です。しかし、すべてのケースで任意売却ができるわけではありません。
ここでは、任意売却が難しい・できないケースを具体的にご紹介します。
任意売却できないケースとは?
1、「競売」まで時間がない
A、「任意売却」は「競売」によって、落札金額が決まるまでに、「決済」をして、債権者に配分金(お金)を返さないといけません。
購入希望者が住宅ローンを希望する場合などは、その住宅ローンの審査にどうしても時間がかかってしまいます。「任意売却」の販売価格を現金で買える購入希望者しか契約が成立しなくなります。
2、所有者に「任意売却」の意思がない
A、「任意売却」をご依頼いただけるのは、所有者(共有者全員)の方のみです。ご家族の方や、共有者の方が任意売却をしたくても所有者(共有者全員)の方に「任意売却」の意思がないとお受けできません。
3、共有者、保証人の「承諾」「同意」が得られない
A、「任意売却」は、共有者がいらっしゃる場合は、その共有者の全員、住宅ローンに保証人、連帯債務者がいらっしゃる場合は、その全員の「承諾」「同意」が必要です。
4、同居人(家族)の協力が得られない
A、販売活動期間における購入希望者の内覧や物件引渡しにおけるお引越しを考慮すると、同居の方々の協力も必要です。
5、債権者全員(抵当権者、後順位抵当権者)の「承諾」「同意」が得られない
A、債権者は、売却価格からの配分(回収金額)でいくら回収できるのかを「競売」になった場合と比較して「承諾」「同意」を回答します。
債権者が、「任意売却」では回収金額に満たない。「競売」の方が回収できると判断した場合、「任意売却」はできません。
後順位抵当権を持つ債権者がいる場合、住宅ローン以外の債権者で個人の方などの場合など、配当金が少ない、配当金目的ではなく私情の思惑等で「任意売却」に応じられないという判断になる場合がございます。
その他
〇債権者がご相談者様と連絡が取れない。
〇ご相談者様に背信行為があった
〇ご相談者様が虚偽の説明で融資を受けられた
など、債権者とご相談者様との信頼関係が破綻している場合は「任意売却」ができない場合がございます。
6、差押権者全員の「承諾」「同意」が得られない
A、税金の滞納による市役所の差押権者がいる場合、管理費の滞納による管理組合(マンション)の差押権者がいる場合なども、「承諾」「同意」が必要になります。
7、内覧ができない(解体前提以外)
A、購入希望者が内覧する場合に、内覧できる状態でないと「任意売却」できません。
8、引続き居住ができない(解体前提以外)
A、居住希望の購入の場合、屋根が破損して雨漏りが修復不可能、建ってはいるが、家を支える柱が損傷している、家が傾いているなど、物件状況が芳しくない場合、「任意売却」できません。
9、建築違反でローンが通らない物件(解体前提以外)
A、購入希望者が住宅ローンの審査を申し込んでも、金融機関で建築違反の為、融資承認が下りない場合がございます。このような場合、買い手がいない状況になり、「任意売却」ができない場合があります。